【Zaala from Arkona, Witchmaster, Taran, etc…】実は好きなジャンルはグランジ。一番最初に気に入ったバンドはNirvanaだった。

ポーリッシュ・ペイガンブラックのベテランバンドArkonaのみならず、ファストブラックメタルバンドTaranや元Vaderのメンバー率いるデスメタルバンドSupreme Lordなどでも活躍するZaala(ザラ)。「えー、俺にインタビューしてどうすんだよ~・・・」と最初は乗り気ではなかったものの、完成したインタビューを見せたらニタニタしてました。イカつい見た目とは裏腹に、シャイで真面目でドラムにかける愛情も人一倍強い、そんな彼のインタビューをどうぞ。


Zaala(Arkona) × Metal Mania Sayuki

SAYUKI(以下S):Batushkaとのヨーロッパツアーお疲れ様でした!3週間弱、バスでまわったんですよね?ツアーはどうでした?盛り上がってたみたいじゃないですか。

Zaala(以下Z):俺の今までの人生で一番のツアーだった!何もかもが完ぺきだったよ!ありゃ革命的だわ。観客もかなり入ってたしね。

S:え、疲れてないんですか?

Z:いや、全然。今回のツアーで、新しい経験とスキルを手に入れたような気分だよ。むしろもっともっとツアーを続けたかったくらい。

S:そうですか。ところで、去年Arkonaが新譜をリリースしましたが、あれがあなたのArkonaでの初の作品ですよね。出来はどうですか?満足してますか?

Z:うん、かなり満足してるよ。このアルバムは、過去の作品に比べると、よく練られた楽曲が揃ってると思う。

S:Arkonaの曲は昔と変わってしまったとかいう意見もあるじゃないですか。今回のアルバムを聴いたファンからの。それについてはどう思いますか?

Z:俺は去年からArkonaでプレイし始めたばかりだから、大したことは言えないけど・・・。まぁ・・・、俺たちもだてに長いこと音楽やってるわけじゃないからさ。常にスキルを磨いてるわけだし、日々俺たちの演奏スキルは成長してるんだよ。だから、音楽も昔に比べたらアンダーグラウンドっぽさがなくなってくるのは当然の流れだと思うけどな。

S:ところでどういう経緯でArkonaで演奏することになったんですか?

Z:去年一度、前任ドラマーで新譜の”Lunaris”をレコーディングしたらしいんだけど、リーダーのKhorzonは彼のプレイが気に入らなかったらしい。それで、彼が新しいドラマーを探してた時に、Nechrist(Gt/Arkona, Taran)が俺に「Arkonaで演奏してみないか?」って聞いてきたんだ。

S:そういえば、Witchmasterでもサポートとして、ライブでInferno(Dr.)の代わりにドラム叩いてますよね?あれはどういう経緯であなたにお声がかかったんですか?

Z:もともとKali(Gt.)と知り合いで、1999年にWitchmasterでちょっとだけ演奏してたんだ。当時のメンバーが住んでたZielona Góra(ジェロナ・グラ/ポーランド西部の都市)は俺んちの近所だったし。で、後々Infernoが正式ドラマーになったんだけど、彼はBehemothの活動で忙しくなっちゃって、時間が無かったんだよ。そんで、2011年にWitchmasterがポーランド国内でAzarath、Bulldozer、Deus Mortem、Infernal Warとツアーをやったんだけど、ツアー開始日の5日前にRayasz(Ba./Witchmaster, Christ Agony, ex-Vader)が連絡をよこしたんだ。「Witchmasterのツアーでドラム叩けないか?」って。そこからすっかりWitchmasterのサポートドラマーとして活動することになっちまった・・・。

Arkonaのアー写用にコープスペイントを施すZaala。ドラマー歴は長いものの、今まで活動してきたバンドはほとんどがメイク無しだったため、コープスペイントに関してはまだまだ練習中の模様。

S:ふ~ん、そうなんですね。そうだ、せっかくだから昔のポーランドの話を聞かせてください。あなたが幼少期の頃、ポーランドはまだ共産主義の時代だったんですよね?学校では必修外国語が英語じゃなくてロシア語だったとか。

Z:うん、そうだけど、誰もロシア語なんて好きじゃなかったし、俺だってロシア語は勉強したくなかった。でも、ほかに選択肢が無かったんだよ。当時、英語は俺たちの学校の科目には無かったしな。その数年後には導入されたけど。

S:ソ連に支配されてた時のことをどう思いますか?

Z:正直、ソ連の支配下にあった時のことはよく覚えてない。2回くらい、配給権を片手に店に並んだことは覚えてるけど。

S:子どもの頃、音楽は何を聴いてたんですか?CDとか売ってました?

Z:まずはラジオでいろんなアーティストの曲を聴いたよ。Europaとかよく流れてた。あと、The Blackの”Wonderful Life”とか。(この曲は今でもよくラジオで流れます。by Sayuki)CDなんて無かったから、カセットテープにラジオから流れる曲を録音してたな。

S:音楽をまともに聴くようになったのはいつからですか?

Z:小さい頃はマイケル・ジャクソンとかめちゃくちゃ聴いてたんだけど(笑)、一番最初に気に入ったバンドはNirvanaだった。ラジオで聴いたのかなんなのか、もう覚えてないんだけど。10代前半で彼らを知ってそこからグランジにハマったよ。

S:そういえば、数年前にWitchmasterのライブの後に話したら、「俺はグランジが好きなんだ」って言ってましたね。あなたと出会ったばかりの頃、あなたがMardukのことすら知らなくて驚きました。ブラックメタルバンドで演奏してるのに(笑)。で、ブラックメタルはいつから聴くようになったんですか?

Z:覚えてない。ブラックメタルより先にデスメタルを聴いてた。初期のVaderはずいぶん聴いたな。Vaderのカバーバンドもやってたし。 ブラックメタルを聴くようになったのは・・・2005年にBehemothのヨーロッパツアーにドラムテクとして同行してからかな。あの頃のBehemothは音楽的にはデスメタルだったけど・・・でもこれをきっかけにブラックメタルも聴くようになったかも。

S:ドラムはいつから始めたんですか?

Z:親父が昔、ドラムをやってたんだ。演奏してたのはメタルでもなんでもなくて、結婚式の伴奏とかだったけど。8歳頃から俺も親父の影響でドラムに興味を示し始めて、ラジオから流れる音楽に合わせてドラムスティックでシンバルを叩いたりしてた(笑)94年から友達といろんなバンドのカバーバンドを始めたよ。

S:最後の質問です。これから何か挑戦したいことややりたいことはありますか?

Z:もっともっとライブで演奏したい!これに尽きる。

【終】

Behemothのインフェルノ氏とも親交があるZaala。先日Witchmasterのライブで共演した際に、インフェルノに「すげードラムテクだな。もう俺の出る幕なしじゃん」と言わしめるほどのドラムテクを持っているのです、実は。彼がドラムをプレイしている姿は、憂いを帯びた普段の雰囲気からは想像もつかないほど生き生きとしていて、あぁ、この人は本当にドラムが好きなんだなぁというのが伝わってきます。ドラムに恋してますね、この人。これからもこの調子でどんどん活躍してほしいよ!頑張れ~~~!

Arkonaの音源はこちら→”Lunaris”(2016/Digi)

Tシャツもあります→http://dekalog11.com/t-shirt-arkonalunaris/